酒は百薬の長、にはなってないよな。

By: Kazusei Akiyama, MD


2010年08月

今月のひとりごと:『酒は百薬の長、にはなってないよな。』

東洋には古くから「酒は百薬の長」という言葉があります。実際ゆっくりと香りとコクなど味を楽しむ、酒席(コミュニケーション)を楽しむなどリラックスできますし、医学的には適量であれば末梢血管を拡張させ、血行をよくする作用など良い面は多々あります。でも現在の生活環境ではどうなのでしょう?結論から言うとカロリー摂りすぎの重要な要素になっているのではないかと思います。表の一般的なお酒とカロリーを見ると、例えばウイスキー1ショット125カロリー(成人男性の1日の必要カロリーの約7%)で、数値的に見るとそんなにとんでもなくはないのです。オレンジジュース(生)で1110カロリーぐらいなので比較してもカロリー量としては殺人的ではありません。問題はカロリー量ではなく、それの取り方です。一晩でオレンジジュース56杯は飲まないですよね。ところがウイスキーを56ショットは心当たりのある方は結構おられるでしょう。また、黙々とウイスキーを飲むということはありません、必ずおつまみだの食事だのさらにカロリーが取り込まれます。下手をすると、夜の一食で一日の必要カロリーを摂取していたりします。

『さらに、お酒はストレスの発散に使用されるので、「楽しむ程度」ですまないことが多いのだな。元のストレス自体も身体に悪いし。ブラジルだとカイピリーニャが好きな邦人が多いのだが、1300カロリーだぞ!このような環境でメタボになるなといっても無理かな?』