サンパウロの冬対策にはオイルヒーターがいいぞ

By: Kazusei Akiyama, MD


2010年07月

今月のひとりごと:『サンパウロの冬対策にはオイルヒーターがいいぞ』

冬になりました。意外と寒いですよね。気温の数値そのものを見てると日本から来た方にはそんなに大した寒さでは無いと思われるのですが、体感温度が低いので「一体これは?」になる事が多いようです。悪い事に特に家の中が寒く感じます。これにはいろんな理由があるのですが、今回は対策の暖房についてひとりごとです。

『いきなりだけど、東洋医学では病気の原因として邪気、つまり健康を乱し病気を引き起こす有害なものが存在するとの考え方があり、内邪(内因)と外邪(外因)に分類される。外邪は「風・寒・湿・署・燥・火」の6種類ある。外邪が病気の原因になるのは過不足と体調の組み合わせによるものなのだな。つまり体力が充実しているとちょっとした邪気は病気にならないし、なっても激しく症状が出てすぐに治る。反対もしかりだな。体調がよくないとすぐに病気なる。暖房の話で脱線しているのではないぞ。サンパウロの冬は気候以上に環境(住宅、用地)が東洋医学の概念ではよくないのだな。上記の外邪の内、「風寒湿」が特に悪いのだが、正に当地の冬は風寒湿なのだな。まず風。家の建付が悪いしドアや窓の密封性が低いのですきま風が入る。寒は冬なので気温が下がって当たり前だけど、それ以外には家の建て方が涼しいのを優先しているので建材が石とかタイルとか冷たい物が多いのだな。日当たり悪いし。さらに湿は煉瓦の壁が夏期の雨(あるいは水道管の水漏れなど)をたっぷり含み家の中が結構湿気っているのだな。このような状況ではどのタイプの暖房(一般的にブラジルで入手可能な物)が適切か考えてみよう。

サンパウロの住宅事情を考えると、オイルヒーターが一番適切と考えられるのは、ランニングコストが良いのもあるが、ジワジワと効き目があるし対流効果もあるので、空気を暖めるだけではなく、壁や床も暖かくする事であろう。また、標高が高い都市なので夜中の3時以降気温が下がるのも当地の特徴であるが、この手のヒーターを着けっぱなしにしておくと室内の温度が下がらなくって快適だぞ。つまりオイルヒーターは室温を上げるというより下げない様に使用するのがいいのだな。また、ブラジルの住宅は日本の様に床の上に座って生活することを前提に設計されていないので、これをするととても冷える。ホットカーペットやコタツを使う手もあるが、前出の隙間風、特にドア下の、があってあまりよろしくないぞ。オイルヒーターの使い方は、スイッチを入れ、サーモスタットを全開にし、快適と感じる室温に達したらゆっくりサーモスタットを小さい数字に戻し、通電が切れたところで止める。こうするとその時点の温度以下になると電源が入るので室温をキープができる。だから気温が上がる日中は電源が入らないので着けっぱなしにしておいても大丈夫なのだな。購入にあたって注意が必要なのがちゃんとしたメーカー品でないと、内部のヒーターがアンダーサイズで熱効力が悪く電源がつきっぱなしになる(要するにパワー不足だな、ホームセンターで山積みで売っているようなやつ)ようだな。高級モデルはタイマーも付いているが、これは必需ではないと思う。一度だまされたと思って使ってみてください。日本にもって帰っても使えるよ(プラグを交換する必要はあるけど)。』