年末年始で太った分は運動して痩せる…かな?

By: Kazusei Akiyama, MD


2011年01月

今月のひとりごと:『年末年始で太った分は運動して痩せるかな?』

このコラムの22人の読者様、明けましておめでとうございます。旧年中のご支持ありがとうございました。今年もがんばってぶつくさひとりごとする所存ですので引き続きよろしくお願いいたします。さて1月は体調がいつもと違っている事が多いです。そして、年末年始の食べ会や旅行シーズンで体重が増えている可能性が大だと思います。カロリーの摂りすぎといろんな行事で忙しいので運動不足になる時期なのですね。健康の話では必ず運動(不足)が出るのですが、運動とはいったいなにか?のひとりごとです。

『要するに身体を動かす行為であるが、健康上、生理的効果、精神的効果と社会的効果があるのだな。生理的は疾病予防が一番わかりやすい。運動をしない事によって悪化する「太ること」はいろんな病気のリスクが増える(註1)。また、長寿の秘訣である「血行をよくする」行為の一つなのだな。精神的効果はうつやボケの防止がいろんな研究で解明されている(註2)。社会的効果は社交性が増すことだな(註3)。運動は急性と慢性、有酸素と無酸素、にも分類できる。短期的・長期的な効き目と体への負荷のかけ方の話だな(註4)。これら三つの効果といろんな分類が組み合わさって健康のためになる。一般的に運動不足にならないようには「毎週3日以上、一回45分以上運動しないといけない」といったような厚生労働省の運動指針などがあるが、去年米国の心臓内科学会の指針見直しでは「毎週5日以上、130分以上歩く、2回に分割してもよい」ことになった。これって朝15分と夕方15分歩けばよいわけではないですか。反対を言うとこれっぽちも運動してないぞという意味ですな。ブラジルの都会部で生活をすると歩くことが減るので運動不足になることはあっても増えることはないぞ。皆さんはこの基準以上の運動はされてますか?ちなみに年末年始の増加分は運動で取り戻すぞ!と決心された方、40分早歩きしてもコーラ1缶程度のカロリー消費しかしないので、同時に口を閉じないと減量しませんよ。』

 

註1:運動不足と明らかに関係のある疾病:肥満、2型糖尿病、高血圧症、高脂血症、脳梗塞、虚血性など心疾患、骨粗卒症、ボケ、うつ。

註2:例をあげると、運動をすることでインスリン様成長因子(IGF-1)生産され、脳由来神経栄養因子(BDNF brain derivated neurotrofic factor)が刺激される。BDNFと関係があるのが記憶、学習能力であり、これらの低下はボケ(の一種)である。

註3:運動するのに出かける、団体運動で社交活動が増す、など。

註4:急性の運動は脳の活動を活発にする。慢性の運動は心理的な達成感を満足させる。