By: Kazusei Akiyama, MD
ブラジルの医療事情(8)ー 「電子処方箋の扱い方」
当地では以前より遠隔医療の整備が議論されてきてました。コロナ禍がこの整備を一気に加速させ、その一環として電子処方箋が普及してます。電子処方箋には医師の電子署名が付与されますので、法的に直筆署名の処方箋と同じ法的効力があります。ブラジルには四種類も医療用処方箋がありますので、その特徴などはこちらをご覧ください。
現在、CFM(Conselho Federal de Medicina, 連邦医師評議会)のアプリを始め、memed、eleve、HiDoctor、Receita Digital、Doutor Prescreve等、色んな企業が参入してます。当院でもオンライン診察などで使用しているmemedを例に電子処方箋の利用方法を説明します。
電子処方箋の名称:ポルトガル語では「Receita Digital」、発音は「ヘセイタ・ジジタウ」、または、「Prescrição Eletrônica」、発音は「プレスクリソン・エレトロニカ」。
電子処方箋は携帯電話(スマホ)に送信されます。ご利用いただくには、お名前以外に、
- 「SMS受診可能なブラジルの携帯電話(スマートフォン)番号」、
- 「CPF、ブラジル納税者番号」、
- 「住所(抗生剤など用の2毎綴りのReceita Controle Especialを発行の場合必須)」
のご用意が必要です。パソコンに電子メールとして受信する事も可能ですが、どのみち携帯電話番号は必須です。パソコンで受信した場合、処方箋を印刷する必要があります。
以下の図が携帯電話画面です。
医師が処方箋を発行すると、患者さんの携帯電話SMSアプリに次のメッセージが入ります(図1、図2)。
図1 携帯待ち受け画面
図2 SMSアプリのメッセージ
初めて使用する場合、承認確認画面があります。利用者の個人情報をアプリ運営会社と共有する場合「Aceitar e continuar」をクリックして続けます。共有しない場合は「Continuar sem compartilhar」をクリックして続けます(図3)。個人情報の共有は適当な薬局やセールの提案のためです。必須ではありません。
図3 初回のみ処方箋アプリ利用承認画面
処方が出てきます。(図4)。
図4 処方画面
処方箋の電子認証の有無、医師名と患者名の確認をする場合、画面の「+Ver detalhes」をクリックします。すると、ユーザー確認画面が出てきます。ここで、現在使用している携帯電話番号の下4桁の数字を入力し、「Confirmar」をクリックします(図5)。
図5 ユーザー確認画面
処方箋の電子認証の有無、医師名と患者名の確認が出てきます(図6)。この確認作業は必須ではありません。
図6 処方箋の確認画面
図4画面を下にスクロールすると、QRコードが出てきます。これを薬局に提示する方法が一番簡単です。(図7)。
図7 処方箋のQRコード
携帯電話を薬局に持参したくない場合は、処方箋を印刷して提出する事もできます。図4あるいは図7の「Baixar receita」をクリックすると図5のユーザー確認画面になります。ユーザー確認すると処方箋ダウンロード画面がでてきます(図8)。「ダウンロード」をクリックし、「OK, entendi」をクリックして終了します。ダウンロード先は各々のスマホで事前設定された場所です。
図8 処方箋ダウンロード画面
印刷用のダウンロードされた処方箋は次のような書類です(図9)。
図9 一般処方箋(Receita Simples)
抗生剤や抗うつ剤など2通のContole Especial処方箋の場合はこの印刷用です(図10)。
図10
以上が秋山一誠診療所発行の電子処方箋の扱い方です。不明な点はお問い合わせください。(電子処方箋発行アプリmemedの画面は2024年10月現在のものです)