By: Kazusei Akiyama, MD
2014年01月
今月のひとりごと:『あっという間に今年だよな!』
謹賀新年。このコラムの22人の読者様、去年もご愛読ありがとうございました。今年も宜しくお願いいたします。今年はなんといってもコッパの年ですよね。そう、ブラジルで開催されるサッカーのワールドカップ2014年です! 筆者の周りでは「へ、もう今年じゃあないの?間に合うの?」とか「これは世界に向かって大恥をかくのでは?」とかのコメントが多いのですが、ぜひなんとか上手く開催、実施、閉会にもって行きたいものですね。実際、競技場の工事はどこも遅れているし、関連する周辺インフラや空港や宿泊施設の整備もバッチリ進んでいるようではないし、本当に大丈夫ですかね?でもそこがブラジル。なんとか最終的につじつまが合うのですな。過去にもこのような締め切りがあるイベント開催もなんとかつじつまが合ったので、今回も大丈夫だろうとなんか楽天的ですね。ま~、我々一般市民がやきもきしても仕方のない事ですが。でもワールドカップは世界的大イベントで日本を含む、海外から大挙観光客が来るので少しだけ心配してます。
日本戦の初戦はペルナンブッコ州のRecife。日本語の表示は「レシフェ」が多いですね。ポル語風に読めば「ヘシッフィ」、さらに現地のペルナンブッコ方言(註1)で読むと「ヘェーシーフェ」になります。サンパウロからみると違う国と思えるほど文化や社会の違うノルデスチ、その中で筆者はペルナンブッコが一番好きです。とにかく文化活動が多彩でアートや民芸品なども他のところとは一線を画してます。ノルデスチに行くと民芸品がいっぱいありますが、どちらかというとお土産用に作っているものですね。ペルナンブッコは実用的な物や純粋に美術の域に達している物も多々あって興味が尽きないのです。また、民族も違い、17世紀半ばにオランダの侵略と統治があったので、ノルデスチでは一番「白人」が多い感じがする(註2)。面白いのは黒人のヘアーと顔つきの金髪・緑色の眼の男女ですね。オランダの血が混じっているのだな。ブラジルはいろんな民族のルツボですが、きれいになる混合とそうでないのもあるようです。ペルナンブッコは前者でしょう(註3)。人達も考え方がリベラルで政治的に新しい事も好きです(註4)。
日本戦を観戦しにレシフェまで行く読者様、せっかくなので隣町のオリンダにも足をのばしてもらって、是非ブラジルの文化面も観てもらいたいですね。この町はUnescoの世界遺産に登録されており、それだけでも一見の価値がありますが、その旧市街地を散策しながらアートギャラリーを覗くのがお勧めですよ(註5)。
註1:そう、ブラジルでも方言があるのだ。ペルナンブッコは「ノルデスチ方言(ブラジル東北部)」に十把一絡げされることが多いが、ノルデスチでも色々あるのだ。バイア方言やセアラ方言なども違うぞ。去年は全部セアラ方言で撮った映画「Cine Holliúdy」が面白かった。普通のポル語の字幕付きでないと内容が全然わからんけど。日本の東北弁の映画を観ると現地の方以外は全然わからんのと一緒だな。
註2:バイアに行くと黒人が多い、もう少し北のパライバやセアラでは額が広く首が短いタイプが増えるのだな。
註3: 筆者の好みと独断では。ミナス人も前者だな。ちなみに表題の写真の女性は筆者の親友で純粋へシッフィ人です。
註4:その証拠にMST、Movimento dos Trabalhadores Sem Terra、ブラジル農地解放運動の農地占拠が全国で一番多い州です。
註5:最後に蛇足ですが、2016年にリオで開催されるオリンピック。その4年後の2020年東京オリンピックのほうが先に準備が終わってしまうのではないかと言われてますよ。