今月は単純に空気清浄器のお勧めなのだ。

By: Kazusei Akiyama, MD


2011年10月

今月のひとりごと:「今月は単純に空気清浄器のお勧めなのだ。」

なにをひとりごとしようか?と候補に挙がったのがこの季節多い呼吸器疾患でした。それで以前の原稿を見たら、ちょうど2年前(註1)に風土病とカビ退治と空気清浄器の話がでていたので、あ~やはり季節なのだなと自分で妙に納得してしまいました(註2)。引用「 特に1日の間過ごす時間が多い寝室では空気清浄器の設置は必須だと考えます。カビ退治は終わりなき戦いですが、サンパウロでは健康法の一つだと思いませんか?」の空気清浄機の設置について考えてみます。結論からいうと、サンパウロで生活をするにあたり、日本製と当地製の器機併設が一番好ましいと思います。

  • 1200910月号。
  • 2 その場の思いつきで原稿を書いているからこのような再現性ができるのだな、と理屈をつけられますな。

『空気清浄器は厳密に分類すると集塵機(ほこりやハウスダストや花粉など微粒物質を除く)と脱臭器(たばこや残り香などの臭いを除く)に二分できるそうだが、最近の日本製の機械は両方の機能をもっているのが多いようなだ。日本の清浄器では一時期「イオン式清浄器」(註3)がとてももてはやされた(過剰宣伝によるものだという意見も多々存在)が、ハウスダストなどには効果なしとのことで現在はほとんど全滅している。花粉症の多い国であるから、それを取り除く効果がある集塵式がメインになるのはとても理解できる。微少物質を取り除くにはフィルターが必要になるのだが、このフィルターに通過させるには通風(つまりモーターでファンを回すこと)が必須になるわけだな。但しこの方法だと、回しっぱなしにしないと集塵してくれない。ランニングコストと騒音という問題がどうしてもでてくる。それで、とてもハイテクなセンサーで微粒子などを監視し、必要な時に稼働する機械が多いようだな。ところが、このセンサーも監視範囲があり(あまり広くないのだな)、その範囲に対象の微粒子が入ってくれないと、動いてくれない(註4)。つまり、この手の清浄機は埃や花粉が舞い上がった状態でないとベストの働きをしてくれないようだな。そこで、ブラジルで発明されたとても単純な空気殺菌器(esterilizador de ar、但し特許のため、下記註5のメーカー製品に限る)の出番があるのではないかと考える。電気で熱せられたニクロム線の間に空気が通るようにしてあるだけ。熱の上昇気流で入ってきた埃やハウスダスト、菌などが器機に触れて言葉のとおり燃焼してしまう方法なのだな。ファンがないので無風運転のため静かなのはいいのだが、空気貫流を考慮しないといけないのでごちゃごちゃと物が置いてある所にはむいていない。また、この機械は点けっぱなしで運転しないと効果がない。筆者が実際使ってみた感じではこの日本製のハイテクフィルター(註6)の空気清浄機で突発的に発生した病気と関係する空気汚染(註7)を排除し、ブラジル製のローテク器で一日中ジワジワと微生物を焼いていくのが一番健康には効果的ではないかと思うぞ。』

  • 3:電極に高電圧をとおし、その間の空中に放電をつくる方法。この放電スペースに入ってきた微粒子を帯電させて電極的に付着集塵させる。
  • 4 また、以外にも多いのが、センサー部の汚れで、汚れが溜まるとセンサーとしての働きをしていない。
  • 5:メーカー名Sterilairモデル名STR-4、市場価格250レアル前後。
  • 6HEPAフィルターやULPAフィルターなど、活性炭入りなど。
  • 7:サンパウロでは:①自動車の排気ガス。②カビ(『カビの胞子が呼吸器に入り、直接病気をおこさなくても感染症の土壌を作る。()胞子自体にアレルギーをおこす場合もあるし、カビが産生する物質(主に自身が付着している所を分解する酵素、エサになるのですな。これがカビの臭いの素。)に対するアレルギーも考えられる。なぜか夏より冬から春にかけてがカビの季節で、呼吸器疾患になりやすい季節とかぶるのもサンパウロの特徴ではないかな。カビに関しては本当に住居環境が悪いぞ。』)